ふくらはぎの痛み「下腿三頭筋損傷」とは

  1. ランニング障害

下腿三頭筋損傷とはいわゆるふくらはぎと⾔われる部分に起きる⾁離れなどの障害のこと です。 下腿三頭筋は膝の裏側から後ろを通りアキレス腱となり踵の⾻につく筋⾁で、腓腹筋と⾔ われる内側と外側の筋⾁とヒラメ筋と⾔われる平べったい筋⾁から構成され、地⾯をける、 つま先⽴ちをするなど歩⾏やランニングの際に重要な役割をしています。急なストップ動 作やジャンプ、ランニングなどの動作で筋⾁が収縮しようとしている際に⾜⾸が反らされ、 筋⾁が伸ばされる動作が加わると下腿三頭筋にストレスがかかり耐えられず、部分断裂な ど損傷が起きてしまうことがあるのです。


下腿三頭筋損傷の症状と特徴

下腿三頭筋⾁離れで最も痛めやすい部分はふくらはぎの内側です。 下腿三頭筋損傷の症状には次のものがあります。

・スポーツの最中に急にふくらはぎに鋭い痛みが現れる

・痛めた際にブチッ、バチッなどの断髪⾳を感じた

・痛みのある部分に内出⾎が出てきた

・体重をかけると痛む

・歩⾏時痛がある

・⾜⾸を反らすなど伸ばした際の痛み(ストレッチ痛)がある

・ふくらはぎの痛めた部分を押すと痛みががある

・ふくらはぎに⼒を⼊れると痛みがある

・つま先⽴ちで痛みがある、つま先⽴ちができない


下腿三頭筋⾁離れが起きる原因

・ウォーミングアップ、ストレッチ不⾜

・筋⾁の柔軟性が⾜りない

・筋⼒が低い

・間違ったフォームでの動作


下腿三頭筋損傷の治療、対処法


下腿三頭筋⾁離れの治療として受傷してすぐは患部の安静、冷却、圧迫が中⼼になります。 受傷直後は筋⾁の損傷が起きた部分に内出⾎と腫れが⽣じます。⾁離れが⽣じているうち に痛みを堪えて運動をし続けると、痛みも強くなり、回復も遅くなります。また、⾁離れを起こした部分は他の正常な筋⾁に⽐べ硬く、脆くなる傾向にあります。そのため⼀度受傷し、 治癒する前に無理な運動をしてしまうと同じ部位を再び損傷しやすくなるのです。 スポーツへの復帰はストレッチ痛(伸ばした時の痛み)がなくなってからが⽬安になります。 ストレッチ痛がなくなったからといっていきなり普段通りの運動をしてしまうと再受傷す る危険性があります。まずは軽いウォーキング、ジョギングなどから始め、徐々に運動の負 荷を上げていくようにしましょう。


まとめ

今回はふくらはぎの痛み下腿三頭筋損傷についてご紹介しました。
下腿三頭筋損傷はランナーのみならず、運動をする⽅には誰にでも起こりうる怪我です。運動前には⼗分なストレッチ、ウォーミングアップを、また、運動後も⼗分なストレッチなど のケアを⾏うことが⼤切です。
ふくらはぎに痛みを感じたら無理せず休むなどの対処をしながら無理のないランニングを ⼼がけましょう。

参考文献
スポーツ理学療法学 陶山哲夫(監修) 赤坂清和 メジカルビュー社

種目別スポーツ障害の診療 林光俊/岩崎由純 南江堂

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