足首の内側の痛み「後脛骨筋腱炎」とは

  1. ランニング障害

今回は、ランナーにも頻度が多く、運動時の足首の内くるぶし後方を中心とした痛みが特徴である後脛骨筋炎について、詳しく解説していきたいと思います。

「後脛骨筋炎とは」

後脛骨筋腱炎とは、ランニングや運動全般でよく使われる後脛骨筋に起こる炎症のことです。
後脛骨筋は、足の裏からふくらはぎの上方まで付着する筋肉です。
足のアーチを形成するのに重要な筋肉でもあり、つま先を伸ばす働きや足の裏を内側に向ける働きなどがある筋肉です。

「後脛骨筋炎の症状と痛みの特徴」
・内くるぶし後方に痛みが出る。
・悪化すると痛みが激しくなり腫れる。
・つま先立ちで痛む。
・歩行などで足を地面に着いた時に痛む。

「後脛骨筋炎を引き起こす原因」
後脛骨筋炎は、扁平足障害(アーチの低下)に合併することが多いです。
後脛骨筋は、足のアーチを持ち上げてくれる働きがあります。足の機能低下や着用するシューズが合わないと扁平足障害が起こり結果、後脛骨筋に伸張的なストレスがかかり、炎症を起こす原因となってしまいます。
シューズで言えば、パンプスなどを着用する機会が多い女性の発症率が多くなりやすい傾向にあります。

「後脛骨筋炎の治療や対象法」
後脛骨筋の対処としては、扁平足障害の治療とほとんど同じです。
病院では、消炎鎮痛目的とした内服や湿布薬などを使用して治療がおこなわれます。足底インソールの使用、リハビリにて足のトレーニング・ストレッチ・歩き方の指導が挙げられます。
また、炎症が特に強い場合はステロイド注射が使用されるケースもあります。
その他、シューズなどによる足の環境なども後脛骨筋腱炎の誘因となるため、適切なシューズ選びも大事ですね。

「まとめ」
今回は、足首周辺の痛みを特徴とする後脛骨筋炎についてご紹介しました。準備運動や、運動後のストレッチなどを行うとともに、適切なフォームで走るようにすると予防も期待できます。
また、適切なシューズの着用も痛みの軽減や予防にも繋がりますので、シューズの購入時に相談して各々に合ったものを選ぶことも大切です。
痛みなどによってストレスを感じることなく、気持ちよく運動するためにも日々のちょっとした心がけを大切にしていきたいですね!

引用:後脛骨筋腱炎と後脛骨筋腱腱鞘炎 – 08. 骨、関節、筋肉の病気 – MSDマニュアル家庭版

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